歩いても歩いても(011)

監督:是枝裕和
出演:阿部寛/夏川結衣/YOU/高橋和也/樹木希林/原田芳雄
ある夏の日、かつて開業医を営んでいた横山恭平(原田芳雄)と妻・とし子(樹木希林)の家に、長女・ちなみ(YOU)一家と次男・良多(阿部寛)一家が訪れてくる。良多は子連れのゆかり(夏川結衣)と結婚したばかりなのに、いまは失業中の身。ちなみは営業マンの夫と2人の子供に恵まれた専業主婦。家族一同が久しぶりに集まったのは、事故で亡くなった横山家の長男・純平の命日のためである。ごくありふれた夏休みの光景、それはいつものように過ぎていくはずだったが…。シネマカフェより

まるでドキュメンタリーのような映画。実家に帰ったような気分にさせられる。不要品が押し込められて半ば納戸のようになった、高校生の時に貼ったポスターと引き出しの中身もそのままの机がある元勉強部屋(夫の実家がまさにそんな2階だった)、久しぶりにこどもたちが来るというので食べきれないほど用意されたごちそう、そこで交わされる近所のうわさ話や何十回も繰り返されている昔話、ぎこちない父と息子の会話、「この着物、もう着ないからあなたにあげるわ」という母親。
どこにでもある普通の家庭に見えるけど、そこにはいろいろな秘密や思惑があるわけで。ごくごく平凡に見える母親も、「ブルーライトヨコハマ」にまつわる秘密の思い出とかね。
地味だけど、普通の人の暮らしや感情をリアルに切り取った素晴らしい映画だと思います。