MASTER TAPE 〜荒井由実「ひこうき雲」の秘密を探る〜
「ひこうき雲」の録音に携わった松任谷由実、松任谷正隆、細野晴臣、林立夫らミュージシャンと録音エンジニアとディレクターがスタジオに集まって、当時のマスターテープを聴きながら「あのときはああだったね」とか「ここはいいねぇー」とか「マンタのボーカル上げてもう一回聴かせて」とか楽しそうにお話をする、という番組。
今のユーミンもそりゃぁもうかっこよくて憧れの女性だけど、「荒井由美」時代の少女っぽい詩や曲や歌声が神だと思っている私には、わくわくするお話ばかりだった。
なかでも一番ぐっときたのが、「雨の街を」を録音する日の朝、毎日続く録音作業に憂鬱な気分でスタジオのドアを開けたら牛乳瓶に挿した一輪のダリアの花がピアノの上に置かれていて、それは何日か前に松任谷正隆氏と公園を歩いているときに花の中で何が一番好きか、という話になってユーミンが一番好きだと言ったダリアを正隆氏がプレゼントしてくれたというお話。
もうねー、これですよこれ!豪華な花束やアレンジメントじゃないのね。牛乳瓶に一輪のダリアってところが、乙女のハートをわしづかみですよ。この話を聞いた途端、大島弓子の絵でこのシーンがくっきりと鮮明に浮かんでくるくらい少女っぽいエピソードで、こんなおばさんでも一瞬で17歳の女の子の気持ちになってときめいてしまいました。
こういう思い出があると、結婚後にいろんな山坂があっても乗り越えていける気がする。
BS2で2月19日(金)後11:00〜11:54から再放送があるので、見ていない方はぜひ!