あるスキャンダルの覚え書き(061)

監督:リチャード・エア
出演:ジュディ・デンチ/ケイト・ブランシェット/ビル・ナイ
おもに労働者階級の子供たちが通うロンドン郊外にあるセントジョージ総合中等学校。ここで歴史を教えるベテラン教師のバーバラは、厳格すぎるゆえに生徒ばかりか同僚教師たちからも疎まれる孤独な存在だった。そんなある日、美貌の美術教師シーバが赴任してくる。彼女との間にならば友情が築けると確信したバーバラは、以来シーバを秘かに観察し、それを日記に書き留めていく。そして、ある出来事をきっかけにシーバと親しくなったバーバラは、上流階級の幸せそうな家庭生活にシニカルな感情を抱きながらもシーバとの友情に喜びを感じていた。ところがある時バーバラは、シーバと男子生徒の情事の現場を目撃してしまう…。allcinemaより

教師が教え子と性的関係を持ってすったもんだをちょいエロありーの…という映画かと思っていたら、実はオールドミス(今は死語だね)教師バーバラがメインのお話だった。
バーバラみたいな人に出会って困惑したことは、程度の多少はあるにしろ誰にでも経験があるんじゃないかな。階級や容姿へのコンプレックスが強くて、美しく溌剌とした人に嫉妬し、その裏返しのようにその人に接近してどうにかして自分を認めさせようとする人。そして、自分と同じようにその人にとっての「一番」が自分であることを強要して、他の人と親しくすることを許せない人。独占欲とも違う、自分と他者との距離感をつかめない人。
転勤してきたばかりの人に親しげにあれこれ声をかけてくる人は、実は要注意なんだよなぁ…。一見親切でいい人みたいなんだけど、あとあとめんどくさいことに巻き込まれたという話は、本当によく聞くわ。