悪人(035)

監督:李相日
原作・脚本:吉田修一
出演: 妻夫木聡/深津絵里/岡田将生/満島ひかり/柄本明/樹木希林
長崎の漁村で孤独な人生を送り、ふとしたことから殺人者となってしまった不器用な青年と、そんな男と孤独の中で出会い許されぬ愛に溺れた女が繰り広げる出口のない逃避行の顛末を、事件によって運命を狂わされた被害者、加害者それぞれを取り巻く人々の人間模様とともに綴る。
allcinemaより

妻夫木くん演じる清水祐一が、前代未聞の極悪非道な殺人犯なんだろうな、と思って観たら!本当の悪人は誰なのか…。祐一の心をぐっさぐさ傷つける佳乃(満島ひかり)も、とてつもないゲス野郎の増尾圭吾(岡田将生)も、幼い祐一を捨てた母親(余貴美子)も、祐一の祖母(樹木希林)にハイエナのようにたかるマスコミも、人殺しをしていなくたって彼らも紛れもなく悪人だよ。

俳優陣も隅から隅までぴたりとはまっていた。妻夫木くんもいつものイケメンキラキラオーラを全部消して、そこらへんにいくらでもいそうな若者を見事に演じていた。金髪の(しかも根元が黒くなってる)若者が乗るスカイラインが急発進するときのエンジン音は、まさしくあんな感じだよね。満島ひかりちゃんの打算的でビッチな女の子もナイス!これじゃ車から蹴り出されるわ、って納得したもの。(あんな山の中に置いてきぼりにしたらダメだけどね)

演出も脚本も、すごくいい映画なんだけど、残念なことに音楽がダサい!ストリングスやピアノで演奏されるオリジナル曲(たぶん)がベタなくらい説明的で、一気に映画全体を安っぽくしていた気がする。


追記…音楽、最悪!と思ったら久石譲だった(爆笑)