ドア・イン・ザ・フロア

これまで読んだ小説のなかでもベスト3にはいるくらい好きな、ジョン・アーヴィングの「未亡人の一年」が原作ということで、期待半分不安半分で見た。
原作は、始まりから30年以上の年月に及ぶ物語だけれど、さすがに2時間の枠ではそれを全部描くことができないよね。映画では、原作のおおよそ1/3くらい、プロローグ的な部分のみを描いていたけれど、かなりいいできだったのではないかと思う。(偉そうだ…)
マリアンがエディに対して死んだ息子たちの面影を重ねながら性的な関係を持つという、微妙に近親相姦っぽい雰囲気がとてもよく現れていたし、ルースを演じたエル・ファニングダコタ・ファニングの妹らしい)がまた、天才的に上手だし。
欲を言えば、交通事故で亡くしたふたりの息子に対するマリアンの気持ちが、原作ではもっともっと色濃く描かれていたので映画はちょっと物足りなかったのと、どうにか工夫を凝らして「泣かないで、ルース。ただのママとエディじゃない」というオチを活かして欲しかった。