一枝梅(イルジメ)


かなり前にこばさんに「面白いから、絶対見て!」とお勧めされて、その後何度も見る機会はあったけれど、CMが入らないハイビジョン放送を待ってようやく見ましたよ。もうもう、これは殿堂入り決定ですよ!

17世紀、朝鮮王朝中期。即位時の功臣イ・ウォノの息子ギョムは、幸せな生活を送っていた。
そんなある日、ウォノは謀反の罪を着せられた上、ギョムの目の前で殺される。衝撃のあまり記憶を喪失したギョムは、「ヨン」という名で庶民のセドル、タン夫婦の実子として育てられる。
13年後。
ギョム(=ヨン)の生存を知った刺客が再びヨンを狙うことに。追われる中、ヨンは記憶を取り戻すが、父の死の真相を知る人物も殺されてしまい、仇は依然謎のまま・・・。
悲しみと無念の中、家族を破滅に追い込んだ人物への復讐を誓い、父を刺した高級な剣を手がかりに、金持ちや貴族の家に忍び込む。
ヨンは、盗みの現場に梅の花の墨絵を残す"イルジメ(一枝梅)"と呼ばれ、権力者を懲らしめる義賊として庶民の間で英雄と化していく。
BS11より

自分と血がつながらない二人の息子ヨンとチャドル(シフ)を深い愛情で育て、その息子たちのために命をかけた養父セドルが、いい人過ぎてもう出てくるだけで泣ける。(T_T)

セドル役のイ・ムンシクはこの役のために歯を抜いたらしい(゜ロ゜)
そして、16代王仁祖の護衛武士として仕える二人の男たちの対照的な生きざまも、悲しすぎる。無力な民を殺すことに嫌気がさして王の元を離れ、自分が殺した夫婦の娘を引き取って育てるコンガルと、「天」と仰ぐ王の大義を疑うことは、自分がただの殺人者になってしまう…としてあくまでも王に従う道を選ぶサチョン。はからずもこの二人に剣を習うヨンとシフ…
人を殺す目的で剣を使ってはいけないと教えるコンガル、ヨンが修行を終えたときに刃の付いていない剣を渡す。この剣が最終回への伏線になってる…と思ったのだけど…。ネタバレなので反転して見てくださいね。
父を殺したのは父の兄でもある仁祖だとわかったヨン、実家の梅の木の前に王を引っ張っていき、そこで謝罪させて殺さずに立ち去ろうとしたとき、ヨンはサチョンに切られて倒れる。そこでヨンは死んだと思われたが、ラストにイルジメが再登場…で、見た人のなかで物議を醸して(大げさだねw)いるらしい。私は、闘いの最後にサチョンが地面に落ちている剣を拾ってヨンを切ったのがポイントで、実はあの剣はヨンがコンガルからもらった刃のない剣だった…と解釈したんだけどどうなんだろう?

主役のイ・ジュンギは、「犬とオオカミ」のときにも感じたけれど、一瞬で別な感情を表現する才能がすごい!陽気でお調子者のヨンの顔をしていたと思ったら、後ろを向いた瞬間に瞳に悲しみの色をたたえたギョムに変わる…という演技には驚く。

ウンチェ役のハン・ヒョジュちゃんも清楚で可愛い!あの両親・兄の元で生まれ育って、こんなに清らかな子になるなんて奇跡!