キム・マンドク〜美しき伝説の商人


全30話。予備知識もなく見たけれど、とても面白かった。
朝鮮王朝後期、済州島で活躍した実在の女性商人で、飢饉の年に全財産をはたいて米を島民に配って救済したことで、22代王・正祖から褒賞を受けたキム・マンドクが主人公。
主人公のキム・マンドクは、目先の利益にとらわれずに職人を育て、下請け業者にも正当な賃金を払い、先見の明と決断力と判断力を持ち、一度は失った東門問屋を立て直す。部下や周りの人たちからの信望も厚く、まるで商人の鑑のような女性なのに対し、ライバルの西門問屋行首オ・ムンソンの生き方がすさまじい。
幼い頃から自分の立場を有利にするために仲間を陥れ、奉公先の主人の妻を追い出して自分が後釜に納まり、人を裏切りだまし陰謀を計り、富と権力を手中に収めるためなら何でもするという、絵に描いたような悪役オ・ムンソン。(「冬のソナタ」チェリンでおなじみのパク・ソルミが好演)
汚い手段で何度もマンドクの邪魔をし、そのたびに逆に自分が追い込まれているにもかかわらず、一向に反省することなくあくどい商売をし続けるムンソンが、恨みを買った島民に襲撃されたのをきっかけに、溺愛している我が子に自分は人生も商売も教えられない…と気がつき、長年敵視してきたマンドクに自分の息子を託す。これはもう、なんだかすごく胸に響くエピソードだった。幼い頃から、ずーっとマンドクに勝てない(師匠の愛も両班の若様の愛もマンドクにもってかれちゃったし…)劣等感が、ムンソンをこんな子にしちゃったんだよなぁ…。
あと、西門大行首の息子カン・ユジのマンドクへの切ない愛が泣ける(T_T)こういうキャラ、弱いんだわ〜