ホワイトチャペル 終わりなき殺意

19世紀末に殺人鬼“切り裂きジャック”が現れたロンドンのホワイトチャペルで120年後の2008年、再び連続猟奇殺人事件が発生。何と“切り裂きジャック”そっくりに女性の喉をかき切る、模倣犯のしわざと思われる。
 所轄署に着任したばかりのキャリア警察官僚のジョー・チャンドラーが捜査を指揮するが、なかなか犯人に近づくことができない。捜査陣もマスコミもいずれも120年前の事件を参考に犯人像に迫ろうとするが、犯人はその包囲網をあざ笑うかのごとく突破していく。
 チャンドラーは部下のマイルズや“切り裂きジャック研究家”のブキャンと協力し合い、何とか事件の解決をめざす。
 “切り裂きジャック”事件のように未解決に終わらせたくない当局と、残忍かつ知的な犯人が繰り広げる頭脳戦をスピーディかつスリリングに描写。
WOWOWより

アメリカの犯罪ドラマを見慣れてしまうと、何でこんなへまばっかりしてるんだ、そして何?この後味の悪い終わり方は?と思いがちだけど、これがイギリスのミステリードラマのおもしろさだと思う。
特に、キャリア警察官ジョーの描き方がすごく上手い。
トイレのあとは石けんをつけて丹念に手を洗う、ヒゲはきちっと剃り丁寧にクリームを塗り込む、セビルロウで仕立てた高級スーツをびしっと着こなす、心が乱れそうになったら何かバッチフラワーレメディ的なクリームをこめかみに塗ってマッサージ。
ごった返した所轄署に赴任したキャリア警部補ジョーが、机に手帳にペン、腕時計と携帯などをきっちり並べ、神経質そうな指先で殺人捜査マニュアル(笑)のページを繰る場面を真上から撮る映像が、小林賢太郎の『potsunen』そのもので、にやり。