リトル・ミス・サンシャイン(043)

アリゾナ州に住むフーヴァー一家は、家族それぞれに問題を抱え、崩壊寸前。パパのリチャードは独自の成功論を振りかざして“負け組”を否定し、長男ドウェーンはそんなパパに反抗して沈黙を続ける。9歳の妹オリーヴはとうてい無謀なミスコン優勝を夢見て、ヘロイン常習のグランパは勝手言いたい放題。さらにはそこへゲイで自殺未遂の伯父フランクまで加わる始末。ママ、シェリルの孤軍奮闘も虚しく家族はバラバラ。そんな時、オリーヴに念願の美少女コンテスト出場のチャンスが訪れる。そこで一家は旅費節約のため、オンボロのミニバスに家族全員で乗り込み、はるばる開催地のカリフォルニア目指して出発するのだった。だがその道中、彼らは各々の問題と直面してその現実と向き合う羽目になるなど、散々なドライブに。そして、一家に衝撃的な出来事が起きてしまう…。(allcinemaより)

ストーリーだけみれば、悲惨な一家の悲惨な話なんだけど、ブラックユーモアたっぷりで非常におもしろかった。カリフォルニアに向かう途中で死んだおじいさんを病院から盗んで(!)バスのトランクに積み込む場面とか、死体を警官に見つかりそうになるシーンとか、不謹慎だけどクスクス笑ってしまった。バラバラだった家族が一致団結して壊れたバスを押して飛び乗るシーンが良かったなぁ。
ミスコンに出たオリーヴが死んだじいちゃんによる振り付けのダンスを披露する場面が最高によかった。ヘロイン常習者で15歳の孫のドウェーンに「女とヤリまくれ。一人じゃなく大勢の女と寝ろ」とぶっ飛んだアドバイスをするじいちゃんだもの。オリーヴに教えたダンスというのも推して知るべし(笑)。コンテストの出場者やその家族、スタッフが眉をひそめるなか、フーヴァー家の家族がひとりまたひとりとステージに上がってオリーヴと一緒にダンスを踊る場面では、なぜかホロリときてしまった。
それはそうと、ミスコンのシーンで、6〜7歳の子どもが成熟した大人の女性と全く同じ衣装を着て、大人そのままの化粧と髪型で媚びた笑顔でポーズをとる映像は、非常に不気味というか悪趣味で気持ち悪かった。