刑事一代―平塚八兵衛の昭和事件史

ノーチェックだったため見逃してしまったけれど、動画サイトで見た。硬派な話で、なおかつアイドルの出演なしでも(寧ろ“なし”だから、か)面白いドラマは作れるじゃないか。やればできるじゃん(どんだけ上から目線か。笑)ひとつひとつのシーンがすごく丁寧に撮られていて、セットや美術がすごくリアリティがあり、すんなりドラマの世界に入っていけた。こういうのってかなり重要な要素だと思うのだけど、意外とないがしろにされていることが多い気がする(例:華麗なる一族の主役の人とか最悪だった)
警備員殺人事件の容疑者森川の妻を演じた余貴美子の演技とか、吉展ちゃん誘拐事件での小原(萩原聖人)と八兵衛との一連のやりとりとか、印象に残るシーンがたくさんあったけど、何と言っても八兵衛と後輩草間(山本耕史)が3億円事件の捜査方針で対立するシーンが一番心に残っている。3億円事件のころは、ちょうど大量生産大量消費の高度成長期で、時代も人も変わってきているのだから新しい捜査方法を取り入れる必要があると、足でコツコツしらみつぶしに当たっていく八兵衛の古い時代の捜査を否定する草間だけど、そこには八兵衛への尊敬の気持ちがしっかりと現れていて、山本耕史うまいなぁ…と感心した。いやぁ、本当にいいドラマだった。