ダブルフェイス〜潜入捜査編/偽装警察編

録画したものの、けっこう熟成させてしまった。
幸か不幸かトニー・レオンアンディ・ラウの「インファナル・アフェア」は未見なので、ヤクザ組織に潜入した刑事と警察官になったヤクザの話ということしか知らない状態で見たが、いやー、面白かった!
基本的にヤクザものの映画やドラマはあんまり好きじゃないんだけど、これは苦手なVシネ風味がゼロで、二人の主人公の苦悩を中心にストーリーが進んでいくので、私でもドラマの世界にぐいぐい引き込まれた。
特に、香川照之演じる警察に潜入しているヤクザ高山がねー、すごく悲しいのさ。西島秀俊の森屋よりも、私は高山に感情移入してしまった。
身寄りのない町の浮浪児(今どきこんな言い方はしないのか?ストリートチルドレン?)だった森屋に衣食住を与えて大学教育を受けさせてくれた織田組長に恩義を感じながらも、所詮はヤクザ組織の歯車でしかないことを思い知らされ*1、そこから抜け出すチャンスを掴んだと思ったのに、底なし沼のような世界にがっちり足を捕まれていることを知ったときの絶望感たるや…。


しかし、偽装警察編にはびっくりしたわ。まさかの展開だった。

*1:小日向文世があの柔和な面立ちであの声で「犬は部屋ん中で人間と暮らしてると、自分を飼い主と同等だと勘違いして、人間が飯を食ってるとワンワン吠えるようになる。だからときどき犬は死ぬまで犬なんだと躾けてやらなきゃならない。どんな立派な服を着せてもらっていい物を食ってたって、犬は死ぬまで犬だ」と言うんだから怖いよ