黒く濁る村(011)

監督:カン・ウソク
出演:パク・ヘイル/チョン・ジェヨン/ユ・ジュンサン/ユソン/ホ・ジュノ
20年間も音信不通だった父の訃報を受けて、人里離れた山奥の小さな集落へとやってきた青年、ユ・ヘグク。彼の父は、30年前にこの村に移り住んだ一人で、一緒に移住した刑事のチョン・ヨンドクが今では村長となり、ヘグクを迎える。しかし、村人たちの態度に不審なものを感じたヘグクは、葬儀を終えても村に留まり、父の死因を探り始めるのだったが…。allcinemaより

帯広にミニシアター系の作品を上映する映画館があるというのを最近知って、先日初めて行ってみた。
六花亭本店の裏通りに面した古いビルの急な階段を上りきったところにおじさんが座ってるチケット売り場があって、ロビーも狭くて昔懐かしい映画館だった。(さすがに劇場の椅子はカップホルダー付きの新しいタイプに交換されていたけれど)
この作品のような陰気で閉鎖的な空気感をもつ映画は、シネコンではなくこんな古くて小さい映画館が似合ってる。
横溝正史の小説みたいな暗い村社会が舞台のお話で、登場人物が携帯を使っているのを見て「ああ、現代の話か」と気がつくほど昔っぽい。村のじいさんたちがことごとく気持ち悪いんだけど、私が一番嫌悪感を抱いたのはユソン演じる雑貨屋の女店主!いくら過去にじいさんたちに助けられたとはいえ、なぜそのポジションに甘んじているのか…。じいさんたちの訪問を受けたあと、ユソンが外の水場で淡々と下半身を洗う場面はぞっとした。そして、ラストシーンの醜くほくそ笑む顔も怖い!

ユソンて、ドラマでは「仕事はできるけど男に頼りたい女」を演じることが多くて、捨て犬みたいな表情があんまり好きじゃなかったけれど、この映画を見てちょっと見直した。